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「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」(兵庫県美) へ行ってきた

大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち [兵庫県立美術館]

オールドマスターってのはルネサンスから18世紀までの巨匠たちを指すらしい。ヨーダ感溢れる呼び名🤗
美術の流れはルネサンスから、バロックロココ新古典主義ロマン主義、そして現代へとつながる。このような流れは歴史を縦割りにした「時代様式」であるのに対し、横割りにして観た視点を「国民様式」という。(17世紀は美術におけるイタリア優位(イタリアルネサンス)が揺らぎ始め、各国から巨匠が輩出された時代だそう。) 今回の展覧会は国別の6章構成(イタリア、オランダ、フランドル、スペイン、フランス、イギリスとドイツ)という国民様式を感じられる設定になっていた。

今回なんの知識もないままふらっと行って(毎回そうだけど)、ロシアの絵を観るもんだと思ってたから、ヨーロッパの各時代の有名画家の絵が揃っていて驚いた。個人的に好きなレンブラントの絵もあった。
レンブラントの絵は「運命を悟るハマン」。登場人物3人の感情がどんなものか、想像力をかきたてられる。レンブラントの、背景が暗くて深い、主人公にぼんやりとスポットライトが当たる絵はとても好き。フェルメール展が数年前に神戸市立博物館に来た時にレンブラントを知って、そこからすんごい好きになった。(オランダ絵画が好きなのかもしれない。)
あと、今回特に気になった作品が2点。1つ目はカルロ・ドルチの「聖チェチリア」。聖チェチリアは音楽の守護聖人らしい、オルガンを弾く綺麗な若い女性の絵で、寂しげで、でも自信ありげというか頑固そうな印象。ドルチは敬虔なキリスト教徒で「絵を見る者が自分と同様に敬虔な信仰心を抱くよう、宗教的な主題しか書かない」と誓ったそう。ごめんねわたしそんな目で全然観てなかったわ、叶わない理想の人を書いたもんだと思ったわ。
2つ目はフランス・スナイデルスの「鳥のコンサート」。どちらかというと人が描いてある絵の方に心惹かれがちだけど、今回いろんな鳥がキャンバス一面に描かれてる絵にも心惹かれた。イソップ物語の「フクロウと鳥たち」がモチーフになっているらしいが、コンサートといいつつ鳥がギャーギャー泣き騒いでる様子が描いてあるのに、なんか絵的にはめっちゃまとまってて、調和ってなんだ!?笑 って思えたり、楽しかった。スナイデルスの絵も存在も初めて知れたし、あとは他にも知らない画家や、ティツィアーノとか、ルーベンスとか、、ムリーリョとか、この前読んだ本の中にも出てきたトビト記の一場面や、クラーナハブリューゲルの絵もあったし、この展覧会はとても楽しかった。

エカテリーナはもともとドイツ出身の田舎貴族だった。16歳でロシアのピョートル3世に嫁いだときから、自分自身をロシア化し、熱心にロシアに溶け込んでいったそう。展覧会を見終えて直後の感想は、エカテリーナ2世は相当マメな収集家だったのかなとか、優しそう・華やか・明るい・希望を持てるような、などの形容詞が合う絵が好きだったのかなあとか、聖マリアの絵や旅の絵が多かったのでエカテリーナも自分の人生に重ねたのかなとか、思ってたけど図録を読んでそれは違うんだなってわかった。なんとエルミタージュ美術館は絵画だけでも1万7千点を超えていて、そのうち選ばれし85点しか今回観てないんだって。(所要時間1時間半〜2時間、気張らず観れてちょうどいい展覧会だった。フォトスポットもあったよ!)

エカテリーナ2世のコレクションはゴツコフスキー(売買で利益を得るために絵画を収集していて、目利きではなかった)の借金のかたとして絵画を受け入れたことから始まった。当時の王侯貴族にとって、ルネサンス以後の名画を所有することは一種のステータス・シンボルでもあった。美術品の収集には財力はもちろん、情報取集も必要で、情報収集合戦で勝たなきゃ絵も手に入らない。そこでエカテリーナはパリ、ロンドン、アムステルダム、ベルリンなどの大使館を情報発信基地とした。あと、ディドロやそのつてをつたっても絵を手に入れていたらしい。ティツィアーノのダナエもひとつ、エルミタージュ美術品にあるらしいね。すごい。

結論、エカテリーナ2世は気強そうだし、お金持ちすぎる人の気持ちは察することはできない。 なんちゃって。エカテリーナ2世についてもっと知りたいと思った。


参考文献: 図録


メモ
スタンダール恋愛論
ディドロ(啓蒙主義)「この世にある最も美しい色は無邪気、若さ、健康、恥じらいが乙女の頬を染めるあの愛らしい赤である」←めっちゃロココっぽいし素敵!