ただの日記みたいな

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ティツィアーノとヴェネツィア派の展覧会へ行った時を思い出してみた

卒業旅行でベネチアに行くこと決定!

そういえば今年の3月にティツィアーノの展覧会を上野でみたなーって思い出して図録を眺めました。('' "は図録からの引用)

ティツィアーノとヴェネツィア派展|東京都美術館

💡ヴェネツィア派とは

ヴェネツィア共和国を中心とする美術の流派で、を駆使した流動的・的・軟らかく自由な筆致を特徴とする。

‘‘ロドルフォ・バッルッキーニは、1969年に次のように記している。「60年のあいだに制作されたティツィアーノの絵画には、二つの成果がある。それはいってみれば、アリオスト的なものと、シェイクスピアなものである。…(以下略)」’’ 

‘‘ヴェネツィア絵画は、都市国有の分化を雄弁に物語るものであり、7世紀の時間をかけて成長し、成熟し、そして衰退していく。’’

ヴェネツィア絵画の基礎となった彩色の技は、サン・マルコ聖堂のモザイク職人、ガラス職人(ムラーノ島の職人に比肩するものはなく長年にわたってその知識と手法は秘密にされてきた)、服飾や髪型の技術(ビロード、ダマスク織、絹織物、ブロケードなど多様な素材の組み合わせ)などに代表される産業にあるといえる、とも図録には記されていました。

‘‘ヴェネツィア派の特徴について、ゲーテはイタリア紀行で次のように触れています。「真昼の陽光を浴びて、潟の上を船で渡りながら、私は華やかな服装をして舟端に立ってゴンドラを漕ぐ舟人が、薄青い水面からくっきりと碧空にその姿を描きだしている様を眺めたとき、ヴェネツィア派の最も優れた、最も鮮やかな絵を見る思いがした。」’’

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Google マップ

ちなみにヴィヴァルディもヴェネツィア出身らしいです。Vが効いてますね。

 

💡ティツィアーノ

ヴェネツィア派の画家(1488頃~1576) 。同時代の人々からは「星々を従える太陽(ダンテ『神曲』からの引用)」と呼ばれていた。

‘‘ティツィアーノ・ヴェッチェリオが活躍した世紀は「イタリア戦争」とそれに伴う都市国家の自由の終焉に始まり、対抗宗教改革とスペイン優位の確立で終わる。この時代、敵対する諸国は同盟を結び、ヴェネチアに圧力をかけた。’’ 

そんな圧力に対しても屈せず、自由に絵を描き続けたんですねー…。

‘‘ティツィアーノは色彩に「息吹」を、つまりは命を与えるものだったのである。’’ 

ほんとに艶感が幻想的。この時代に使われてる朱色、結構好き。割と赤と青のコントラストが目立つ絵が多かった印象だけれど、ティツィアーノの絵は浮いた感じがない。

 

 

この展覧会の目玉はティツィアーノのフローラとダナエでした。 

フローラティツィアーノ 1515年ウフィツィ美術館

 画面一杯に描かれた女性の透明感にはめちゃめちゃ感動しました。フローラは‘‘貞節と快楽をあわせもつ結婚記念画として解釈‘‘されるそうで、ヴェネツィア絵画では‘‘片方の乳房を露わにしている。乳房は、心の扉、多産の象徴、愛情の印、男性を魅了するものであ’’り、‘‘露わにした肩の上に、長い髪を垂らしてい’’て、‘‘花婿が攻略すべき最後の壊れやすい砦にたとえられる、当時用いられていた白い「下着」を身に着けた姿で表される’’、結婚を控えた許嫁だそうです。めっちゃ艶々してたーきれいだったー。

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ダナエティツィアーノ 1544-46年頃 カポディモンテ美術館)

 これもほんまにきれいだったー。ダナエはユピテルと結ばれてペルセウスを身ごもるギリシャ神話の王女ですが、西洋絵画では人気の主題だそうです。完成後この作品をみたミケランジェロ(当時70歳代)は‘‘「ティツィアーノの色彩も様式も気に入ったが、しかしヴェネツィアでは、最初にデッサンをよく学ぶということをしない。これは残念なことだ。ヴェツィアの画家たちは勉強の仕方をもっと改善することもできように、その点が惜しまれる。」’’と、批判したらしい。ミケランジェロはどこらへんを批判したのか素人のわたしには全く分かりませんでしたが、もしティツィアーノがデッサンの基礎をしっかりやっていればミケランジェロも凌驚しただろうと言われているそうです。神聖ローマ帝国皇帝カール5世など有力なパトロンからも多くの依頼がありローマにも渡ったティツィアーノでしたが、地元のヴェネチアを拠点に活動を続けたからこそ、ティツィアーノらしさ(‘‘「色彩の力」、つまり、語り得ないものを表現する卓越した能力’’)が生み出されたそうです。

 これはティツィアーノのが描いた4つのダナエのうちのひとつですが、めちゃめちゃ美人な依頼人の浮気相手をモデルにして依頼人が絵でずっと眺められるようにしてあげたとか、ダナエは黄金と合わせて高級娼婦の象徴として描かれるという話とか、面白いと思いました。

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ダナエ (ティツィアーノの絵画) - Wikipedia

 

…とまあ、ビジーかつ自分の感想がきれいだったーという表現しかできないのがとっても悔しいですね…。そういえばその前の年にカラヴァッジョもみにいきましたが、これもかなり印象的だったので(黒い!赤い(朱色っぽい)!怖い!黒い😱😱😱) また図録眺めたときにでもまとめよーと。